夜遅く、プロテインのシェイカーを手にしたまま、スマートフォンで「大豆 男性ホルモン 女性化」と検索してしまう。植物性のプロテインに切り替えたばかりで、「これで体が変わってしまうのでは」という不安が、寝る前にじわりと広がる。この心配は、実際のところどうなのだろうか。

大豆やイソフラボンで男性ホルモンは乱れるの?

いまの臨床データを見るかぎり、大豆で男性ホルモンが乱れるという心配は支持されていません。 Reed 2021(Reproductive Toxicology・臨床研究のシステマティックレビューとメタ分析・41研究)では、大豆または大豆イソフラボンの摂取が男性の生殖ホルモンに与える影響を統合したところ、総テストステロン・遊離テストステロン・エストラジオール・エストロン・SHBGのいずれにも有意な影響は認められなかったと報告されています。テストステロンは男性1,753名、エストロゲンは1,000名分のデータがまとめられ、「大豆が男性を女性化させる」という懸念は臨床データで支持されないと結論づけられています。もちろん体の反応には個人差があり、効果には個人差があります。

「影響なし」はどこまで安心していい話なの?

「有意差なし」は「絶対に安全」を証明したわけではない、という点は押さえておきたいところです。 このメタ分析が示したのは、あくまで「測定されたホルモンに、統計的に意味のある変化が見られなかった」ということです。大豆が何かの不調を予防したり改善したりする、という話ではありません。体質やもともとの健康状態、摂る量は人それぞれで、効果には個人差があります。ホルモンの数値が気になる、持病があって食事を調整している、といった事情があるなら、検索を重ねるより、かかりつけの医療者に相談するのが確かです。責める必要も、必要以上に怖がる必要もありません。

今夜の一手: 検索タブを閉じて出典を一行メモする

深夜2時の不安な検索を、いったんそこで止める。気になった情報は、消費するのではなく「Reed 2021・41研究・有意な影響なし」と一行だけメモに残して、タブを閉じる。次に不安が来たとき、また一から検索し直さずに済む。小さな一歩だけれど、心配のループから抜ける入口になる。効果には個人差があります。