深夜、プロテインの通販ページで「このたんぱく質が最強」の文字が並ぶ。卵、鶏肉、ホエイ、大豆——どれも良さそうだが、何を基準に上下がついているのかは書いていない。そこで一度、値段でも人気でもなく「アミノ酸の質」だけで冷たく並べてみる。

スマホの通販画面にたんぱく質源が並ぶ夜の場面のイラスト

採点基準を先に開示する

物差しは1つ——DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)という質の指標だけだ。

DIAASは、その食品のたんぱく質がどれだけ良質なアミノ酸を消化・吸収できる形で含むかを表す。今回はこの1指標だけで並べる。値段・溶けやすさ・人気は採点しない。そしてもう一つ先に断っておく。これは「1つの食品の質」の話で、あなたの1日の食事が足りているかとは別だ。順位は効果の保証ではない。効果には個人差があります。

上位ランク: 卵・肉・乳(カゼイン)

研究の数値で上位に来たのは、動物性の定番だった。

Herreman et al. 2020は、多数の食品のDIAASを整理したレビューで、スコアを excellent(≥100)/high(75〜99)/表示不可(<75)の3帯に区分している。excellent 帯に入ったのは豚肉117、カゼイン117、卵101。いずれも必須アミノ酸をバランスよく含み、消化性も高いと報告されている。

動物性が上位に来やすいのは事実だが、これは「動物性でなければ無意味」という話ではない。あくまでDIAASという1つの物差しでの並び、という前提を外さないでほしい。

中位と、意外な食い込み: ホエイ・大豆・じゃがいも

高品質帯にはホエイと大豆。植物性のじゃがいもが上位へ食い込んだ。

同じレビューで、ホエイは85、大豆は91で high(75〜99)帯だった。プロテインの定番ホエイが卵より下に見えるが、ホエイは吸収が速くロイシンが多いといった別の長所もあり、DIAAS一つで優劣は決まらない。

面白いのはじゃがいもで、スコア100の excellent 帯に入っている。一方、小麦・とうもろこし・米・えんどうなどは表示不可(<75)帯だった。ただしこれらも「この指標では下がる」だけで、複数を組み合わせれば不足しがちなアミノ酸を補い合える。植物性は種類の差が大きい、というのがこのレビューの読みどころだ。

判定: あなたが◯◯なら

  • 手軽に質の高い1食を組みたいなら——卵・肉・乳が研究上の上位。定番が強い
  • 植物性中心で組みたいなら——大豆を軸に、じゃがいもや穀物を組み合わせて補い合う
  • そもそも量が足りているか不安なら——順位より先に総量を見直す。Jäger 2017は多くの人で1日1.4〜2.0g/kgが目安と報告

質のランキングは、総量という土台の上でだけ意味を持つ。上位を1つ選ぶより、まず足りているかが先だ。

今夜の一手: 明日の1食に「質の高い1品」を1つ足す

  1. **明日の食事に、上位帯の食品を1つだけ足すと決める。**卵1個でも、豆腐半丁でもいい(約20秒)
  2. 余力があれば、1日でどれくらい摂れているかをざっくり見返す。

ランキングは選ぶ楽しさのためのもので、順位が高い=あなたに必要、ではない。取り戻した気力を、まずは無理のない1品から土台づくりに向ければいい。