夜、気分が晴れない日が続くと、「魚の脂が心にいい」という話が目に入る。オメガ3のサプリだ。本当に効くのなら試したくなる。だが期待する前に、大規模な試験まで戻って正直に見てみる。

オメガ3は心の健康にどう研究されてきたか?

大規模なランダム化比較試験では、オメガ3の補給がうつの発症を防ぐ効果は確認されなかった。 18,353人を対象に、海洋性オメガ3を1日1g、中央値5.3年にわたって摂った群とプラセボを比べた研究がある。結果は、抑うつの発症リスクはむしろわずかに高く(ハザード比1.13)、気分スコアの変化にも差はなかった。著者は、うつ予防のためのオメガ3補給は支持されないと結論している。

二群に分けた大規模比較試験を示す簡素な図

他の単一サプリではどうだったか?

同じ大規模試験の枠組みで調べたビタミンDでも、抑うつや気分にプラセボとの差はなかったと報告されている。 単一の成分を足すだけで心を底上げする、という発想には慎重でいたい。効くと感じる場合もあるが、大人数で厳密に比べると差が見えにくい——それが現時点の正直なところだ。

では魚を食べる意味はないのか?

「サプリで補う」ことと「食事から魚を摂る」ことは、分けて考える必要がある。 上の研究が示したのは、あくまでサプリとしての補給の話だ。バランスのよい食事の一部として魚を食べることまで否定するものではない。サプリという近道に期待を寄せすぎず、まず食事という土台に置き換えて考えたい。

今夜の一手: 期待を「食事の土台」に戻す

気分の落ち込みが続くなら、サプリを探すより先に、睡眠・食事・体を動かす時間という土台を一つ見直す。つらさが重い日が続くときは、我慢せず専門の窓口や医療者に相談してほしい。効果には個人差があります。