眠れない夜、スマホで「メラトニン」という言葉を見かける。海外では手軽なサプリらしい、と紹介されている。でも日本の店頭では見かけない。これは何なのか、どこまで研究されているのか、落ち着いて整理してみる。

メラトニンとは何なのか?

メラトニンは、体内時計と睡眠のリズムに関わるホルモンだ。 厚生労働省の解説では、体内時計は朝の光で前進し夜の光で遅れるとされる。メラトニンはこのリズムに合わせて夜に増える。だから「眠りのスイッチ」のように語られるが、実際にサプリとして摂ったとき何が起きるかは、別に確かめる必要がある。

一日のリズムに沿ってメラトニンが夜に増えることを示す簡素な図

サプリとしてはどこまで研究されているか?

メタ分析では、入眠までの時間短縮や総睡眠時間の増加、睡眠の質の改善と関連したが、効果は中程度と報告されている。 19研究・約1,683人をまとめた解析による。時差ぼけのように、体内時計がずれた場面での研究が多い。「これさえ飲めば眠れる」というより、リズムのずれを整える方向の、穏やかな後押しと受け取るのが誠実だ。

頼る前に見直せることはあるか?

サプリの前に、睡眠を削っている土台を見直す方が影響は大きいことが多い。 たとえばカフェインは、就寝6時間前でも総睡眠時間を1時間以上減らし、本人はそれに気づかないと報告されている。夜のスマホの光も体内時計を遅らせうる。メラトニンの入手や扱いは国によって違いがあるため、海外製品に頼る前に、まず光とカフェインという土台から整えたい。

今夜の一手: 眠りの土台を一つ戻す

サプリを探す前に、寝る前のカフェインを一杯減らす、画面を少し早く閉じる——そのどれか一つを試す。土台が崩れたままでは、何を足しても効きは見えにくい。気になるなら、持病や服薬の有無も含めて専門家に相談してから判断すればいい。効果には個人差があります。