夜、スマホで「食物繊維 サプリ」と検索して、粉末の容器をカートに入れかける。足りていない気はする。けれど、食事から摂るのと何が違うのかは、意外とはっきりしない。サプリで足すのと、食品から摂るのは、同じことなのだろうか。満腹感を調べた研究を手がかりに、選び方の分岐を整理していく。

サプリで足した食物繊維は、満腹感を変えるのか?
単離した繊維をサプリで足しても、その後の食事量や満腹感はプラセボと明確には変わらなかった、という報告がある。
健康な成人のランダム化比較試験を集めたメタ分析では、抽出・単離された食物繊維をサプリとして足しても、大半の試験でその後の食事のエネルギー摂取や主観的な満腹感がプラセボと比べて明確には変わらなかったと報告されている。繊維の種類や量と満腹感の関係も、一定しなかった。つまり「繊維を足しさえすればお腹が満ちる」とは言い切れない、という段階だ。個人差がある。
それでもサプリが手がかりになるのは、どんなときか?
サイリウムなど粘性の高い水溶性繊維は胃でふくらみ、満腹感を保ちやすいと報告した例がある。
同じ「食物繊維サプリ」でも、中身によって手がかりの強さは変わる。サイリウム(オオバコ)のような粘性の高い水溶性繊維は、胃のなかでゲル状にふくらんで胃排出を遅らせ、満腹感を保ちやすいと報告した研究もある。鍵とされるのは繊維の「粘性」だ。だから、もしサプリを使うなら「食物繊維」と大きく書かれたものより、どんな繊維かを見るほうが手がかりになる。ただしお腹が張る・ゆるくなる人もいるため、少量から様子を見たい。反応には個人差がある。
結局、あなたはどちらを選べばいいのか?
食品まるごとを基本に、届かない分をサプリで補う、という順番が現実的だ。
食品から摂る食物繊維は、繊維そのものに加えて、水分・噛む必要・ビタミンやミネラルも一緒についてくる。噛む時間や満腹の感覚は、粉末を溶かした一杯では再現しにくい。だから、あなたが「野菜や豆や全粒の食品をもう少し足せそう」なら、まずそこから。「忙しくてどうしても食事だけでは届かない」なら、補助としてサプリを足す。サプリは食事の代わりではなく、足りない一角を埋める道具として置くのが、期待に振り回されずにすむ捉え方だ。効果には個人差がある。
今夜の一手: 「足す」前に、今の一日をひとつ思い出す
今夜サプリを買うかどうかは、決めなくていい。決めるのは、昨日の食事に野菜・果物・豆・全粒のものが何回登場したかを、一行だけ書き出すこと。そのうえで、まだ足りないと感じたら、食事で足せる余地があるか、それとも補助が要るかを考える。順番は、食品がさきで、サプリはあと。不調が続くときは無理をせず専門家へ。効果には個人差があります。
