からだを動かす習慣ができてくると、サプリの話が耳に入ってくる。クレアチンはその定番で、最近は「運動だけでなく頭にもいい」といった話も流れてくる。都合のいい響きだが、本当のところはどこまで分かっているのか。一次情報まで戻って、確かな部分と未確定の部分を分けてみる。

クレアチンは何の研究がいちばん厚い?
運動、とくに高強度運動の成績についての研究が最も厚い。 国際的な栄養学会のポジションスタンドは、クレアチン一水和物を高強度運動の成績やトレーニング適応を高める、最も研究の蓄積した成分の一つと位置づけている。同じ文献では、健常者で最大1日30g・5年までの使用が安全で忍容性が高いと報告されている。つまり「効くかどうか」より前に、安全性の面ではよく調べられている成分だといえる。ただし効果や反応には個人差がある。
認知への効果はどこまで確か?
運動以外の応用も研究されているが、確かな結論を出すには証拠がまだ限られる。 睡眠不足時の認知など、運動の外での可能性も検討されてはいるものの、我々が確認できた一次情報の範囲では、運動成績ほど強くは裏づけられていない。「飲めば頭が冴える」と受け取るのは先走りだ。研究が進んでいる最中の話として、期待を運動以外に広げすぎないでおきたい。ここでも効果には個人差がある。
よくある誤解はどう整理されている?
「ステロイドの一種」「脱毛する」といった通説は、現時点の一次情報では裏づけられていない。 誤解を検証したレビューは、化学構造が全く異なるためクレアチンはアナボリックステロイドではないと整理している。テストステロンやDHTの増加、脱毛を一貫して示す証拠はなく、推奨用量で健常者に腎障害を起こさないと管理研究が示すと報告されている。怖がりすぎる必要も、万能視する必要もない。
今夜の一手: まず食事という土台を見直す
サプリを足す前に、たんぱく質や睡眠といった土台が整っているかを一つ確認する。土台が崩れたままでは、成分だけを足しても効果は見えにくい。必要かどうか迷うなら、持病や服薬の有無も含めて専門家に相談してから判断すればいい。効果には個人差があります。


