寝つけない夜、SNSで流れてきた「重い毛布にしたら寝落ちした」という投稿。安くはないし、本当に効くのか半信半疑のまま、カートの画面を開いたり閉じたりしている。あの重さは、眠りに何かをもたらすのだろうか。
加重ブランケットで眠りは変わる?
少なくともある研究では、不眠の重さが下がったと報告されています。 Ekholm 2020(Journal of Clinical Sleep Medicine・無作為化比較試験)は、うつ病・双極症・全般不安症・ADHDのいずれかを持つ患者120人を、重い金属チェーンの毛布と軽いプラスチックの毛布に無作為に割り付け、4週間くらべました。その結果、重い毛布の群で不眠の重症度(ISIという指標)が有意に下がり、日中の症状も改善したとされています。手首につけた活動量計による客観的な記録でも、その傾向は裏づけられました。全身にかかる適度な圧が、落ち着く合図になるのではないかと考えられています。
この結果、自分にも当てはまる?
そのまま当てはめるには、対象の限定に注意が要ります。 この研究に参加したのは、精神疾患を持つ患者でした。だから、いま特に診断のない人が同じ効果を得られるかどうかは、この研究だけからは分かりません。加えて、重い毛布は暑さや寝苦しさで合わない人もいますし、体格や季節によっても感じ方は変わります。高価な買い物であることも踏まえると、「万人の解決策」ではなく「合う人には後押しになりうる選択肢の一つ」と捉えるのが誠実です。合う合わないには個人差があります。
今夜の一手: 買う前に「重さの代わり」を試す
いきなり高価な毛布を買う前に、今夜は手元の毛布をもう一枚重ねて、少しだけ重みのある状態で眠ってみる。それで安心感が増すなら、あなたには圧が合図として効くタイプかもしれない。合わなければ見送ればいい。「Ekholm 2020・患者で不眠の重さが低下」と一行メモしておけば、広告に急かされず、自分の体感で判断できる。合う合わないには個人差があります。
