冬の夜、棚に並んだビタミンDの瓶を手に取る。片方のラベルにはD3、もう片方にはD2とある。どちらが血中濃度をよく保てるのか、検索するほど話が食い違って余計に迷う。断定できることとできないことを、メタ分析の結果に沿って正直に切り分けていく。

D3とD2、血中濃度を保つ効果はどう違うのか?
メタ分析では、D3のほうがD2より血中25(OH)D濃度を上げる効果がやや大きいと報告される。
Tripkovic et al.(2012)は、ランダム化比較試験を集めたシステマティックレビューとメタ分析で、ビタミンD3とD2を直接比べている。全体としては、血中25-ヒドロキシビタミンD、つまり25(OH)D濃度を上げる効果はD3のほうが大きかった(P=0.001)と報告された。ここで大事なのは、これが「D2は役に立たない」という話ではない点だ。D3のほうが数値を上げる力がやや強い、という比較の結果にとどまる。体内のビタミンD充足を数値で見たときに、同じ量ならD3のほうが有利に働きやすい、という程度に受け止めておくのが正直なところだ。効果には個人差がある。
まとめ飲みと毎日少量で、差はどう変わるのか?
同じD3の優位でも、摂り方によって差の大きさは変わると報告される。
Tripkovicらの分析では、差は投与方法で異なっていた。まとめて大量に摂るボーラス投与では、D3が明確にまさった(P=0.0002)。一方、毎日少量ずつ摂る場合は、その差が小さくなったと報告されている。言い換えれば、「たまにドンとまとめて摂る」使い方ほどD3とD2の差が目立ち、「毎日こまめに摂る」使い方だと両者は近づく、ということだ。だからこそ、種類の違いだけを取り出して優劣を断じるより、自分がどう摂るかとセットで考えるほうが実態に合う。反応には個人差がある。
何を軸に選べばいいのか?
優劣の断定より、日光と食事という土台の上で続けやすい摂り方を選ぶことのほうが現実的だ。
ビタミンDは本来、日光を浴びることと食事から得るものが土台にある。サプリの種類はその上に乗る要素にすぎない。数値の維持をとくに重く見るならD3寄りに倒すのは一つの目安になるし、毎日少量ずつ続けるなら差は縮むと考えて、続けやすさを優先してもいい。ただし「多く摂るほどよい」わけではない。ビタミンDには耐容上限が定められており、上限を超える大量摂取は避けるのが無難だ。摂取量に迷うときは、自己判断で増やさず専門家に相談してほしい。種類選びで固まって続かなくなるより、土台を整えたうえで無理なく続けられる形を選ぶ方が、比較の数字より効いてくることが多い。効果には個人差がある。
今夜の一手: 日光と食事の土台を、一つだけ確かめる
種類で迷う前に、今夜確かめるのは「日中に少し光を浴びられているか」「食事から摂れているか」という土台のほう。数値の維持を重く見る人はD3寄りを目安に、毎日少量で続けたい人は差が縮む前提で忘れにくい形に。耐容上限を超える大量摂取は避け、量に迷うときは自己判断せず専門家へ。効果には個人差があります。

