冬の夜、健康情報を眺めていると「日本人はビタミンD不足」という見出しが目に入る。そういえば最近、日に当たっていない。サプリのボタンに指をかけたまま、本当に必要なのかと迷う。

冬は本当に不足しやすい?

「しやすさ」は日照や生活で変わり、一律には言えない。 ビタミンDは食事からとるほか、日光を浴びた皮膚でもつくられる栄養素だ。厚生労働省の公的情報も、ビタミンDがカルシウムの吸収に関わると解説している。冬は日照が減り、肌の露出も少なくなるぶん、生成が落ちやすいと一般にいわれる。ただしどれだけ不足するかは、住む地域・外に出る時間・食べるものによって大きく違う。だから「冬だから全員不足」と決めつける必要はない。まずは魚やきのこといった食べ物と、短時間の日光を土台に置きたい。効果には個人差があります。

サプリで補うと何が変わる?

血中濃度は上げられるが、気分の改善までは確認されていない。 Tripkovic 2012(RCTのメタ分析)は、ビタミンD3がD2より血中25-ヒドロキシビタミンD濃度を上げる効果が大きいと報告した(毎日少量ずつだと差は縮む)。一方でOkereke 2020(VITAL-DEP・N=18,353・50歳以上)は、D3を2000IU/日、中央値5.3年続けても、抑うつ症状の発生や気分スコアにプラセボとの差はなかったとしている。さらにMalihi 2023(22RCT・約1.3万人)は、1日3200〜4000IUといった高用量を長く続けると高カルシウム血症のリスクが上がると整理した。つまり「濃度を上げる」ことと「気分がよくなる」ことは別で、多く摂るほどよいわけでもない。効果には個人差があります。

今夜の一手: 日光と食事を先に一つ

サプリを検索する前に、土台を一つ整える。明日の昼、短い散歩を10分だけ予定に入れる。買い物メモに、鮭・さんま・きのこのどれか一つを足す。そのうえで補うか迷うなら、「Tripkovic・D3が濃度を上げやすい/Okereke・気分改善は確認されず/Malihi・高用量はリスク」と一行残す。高用量の自己判断は避け、気になるときは医療者に相談する。効果には個人差があります。