定食が来て、つい白米から箸をつける。食べる順番なんて誤差だろう、と思っていた。でも「野菜から食べると血糖にいい」ともよく聞く。本当なのか。研究の範囲で、正直に確かめたい。

食べる順番で血糖は変わる?

炭水化物より先に野菜を食べると、食後血糖の上がり方がゆるやかになったとの報告がある。 72時間の持続血糖測定を用いた無作為化クロスオーバー研究(Imai 2013)では、野菜を先に食べる順番で食後血糖の変動幅が小さくなり、これは2型糖尿病の人だけでなく健常者でも見られた。健常者では食後のピーク上昇が小さめ(1.56対2.50 mmol/L)だった。同じ料理・同じ量でも、口に入れる順番で体の反応は変わりうる。

野菜じゃなくても効く?

魚や肉を先に食べても、血糖の上がり方はゆるやかになったと報告されている。 米飯より先に魚または肉を食べる順番を比べた研究(Kuwata 2016)では、食後の血糖曲線がなだらかになり、胃の中身がゆっくり送り出されること(胃排出の遅延)と、インクレチンというホルモンの分泌が関与していた。ただしこの研究で血糖の数値がはっきり出たのは糖尿病の人たちで、健常者は主に仕組みの確認に使われた。「野菜ファースト」は「たんぱく質や食物繊維を先に」と言い換えてもいい。

過信は禁物?

急性の食後血糖の話であって、減量や病気の改善を示すものではない。 これらは1食ごとの血糖の上がり方を見た研究で、長期の体重や検査値の変化まで確かめたものではない。順番を変えたから何をどれだけ食べてもいい、というわけでもない。あくまで「同じ食事を、少し優しい形で」入れる工夫だ。数字に振り回されて食事が苦しくなるくらいなら、無理に管理しなくていい。効果には個人差がある。

あなたはどうすればいい?

条件で分けたい。食後に眠くなりやすい・血糖の波が気になる人は、サラダや汁物、たんぱく質のおかずから箸をつけてみる。 手間はゼロで、食事量も変えなくていい。几帳面に順番を守るのがストレスなら、気にしすぎなくていい。 順番は魔法ではなく、続けられる範囲での小さな工夫だ。血糖や体調に不安がある場合や通院中の場合は、主治医や管理栄養士に相談してほしい。

今夜の一手: 「最初のひと口を、野菜かたんぱく質から」

次の食事、白米やパンより先に、サラダ・汁物・肉や魚のおかずにひと口つけてみよう。それだけで食後血糖の上がり方がゆるやかになりうる。難しく考えず、「炭水化物は少し後回し」と覚えるだけでいい。うまくできない食事があっても、自分を責めないこと。食生活に不安があれば、専門家に相談してからで遅くない。効果には個人差があります。