夜、大きめの器にスナックを移してソファに座る。気づけば底が見えている。食べる前は「これくらい」と思っていたのに。意志が弱いのかと落ち込む前に、器のほうを疑ってみたい。皿や器の大きさは、食べる量をどれくらい動かすのか。
大きい器だと、本当に食べすぎる?
増える傾向が、繰り返し報告されている。 72の試験をまとめたコクランのレビューでは、より大きなポーション・パッケージ・食器を与えられた人は、小さいものの場合より食品や飲料の摂取量が増える傾向があると報告されている。参加者は6,700人を超える。これは一度きりの偶然ではなく、条件を変えても方向がそろって出てきた効果だ。もちろん効果の大きさには個人差がある。
それは「我慢が足りない」から?
そうではなく、環境の効果とされている。 男女51人を対象にした試験では、同じ料理を500gから1000gまで量を変えて自由に食べてもらったところ、体重区分や食事を我慢する傾向の有無にかかわらず、出される量が多いほど摂取エネルギーが増えたと報告されている。別のメタ分析では、ポーションを倍にすると摂取量が平均して約35%増える一方、大きくなるほど増分は小さくなる曲線的な関係も示された。つまり量は、意志より先に「出された器」で決まりやすい。
だったら、どこを変える?
手前の環境、つまり器と盛り付けから変える。 食べる瞬間の判断力に頼るのではなく、そこに至る前の設計を変える。小さめの器に替える、大袋のまま食べずに一度小皿に移す、おかわりは席を立ってから。どれも「我慢」ではなく「初期値」の変更だ。研究が示すのは、この初期値が思っている以上に量を左右する、ということだ。責める必要はない。器を替えるだけでいい。
今夜の一手: ひと回り小さい器に移す
もし今夜、袋や大きなボウルのまま食べようとしているなら、ひと回り小さい器に一度だけ移してみる。足りなければおかわりすればいい。ただ、そのひと手間が「もう一杯」の前に小さな間を作る。量を数えるのではなく、器を替える。続けやすいのは、たいていこちらのほうだ。

