エレベーターに乗るか、階段を使うか。ほんの数十秒の選択だが、体力の足しになるのか半信半疑になる。1日に何度か階段を勢いよく上る、という短い運動を積み重ねた研究をもとに、小分けの運動の意味を確かめたい。

エレベーターの隣で白い球が階段を一段ずつ上る静物画像

階段を使うだけで、体力は上がるのか?

小規模な試験では、階段を使った短い運動を積み重ねた群でピーク酸素摂取量が対照群より有意に高かったと報告されている。

座位中心の若い成人24人を対象にしたランダム化比較試験では、1日3回・3階分(60段)の階段を勢いよく上る運動を1〜4時間あけて行い、週3日・6週間続けた群と、続けなかった群を比較した。結果、介入後のピーク酸素摂取量は介入群のほうが有意に高かった(P=0.003)。ただし研究者自身が、絶対的な増加は控えめ(modest)だったと述べている。対象も24人と小規模で、若い座位中心の成人という限られた集団だ。ここから広く一般化して語るのは早い。効果には個人差がある。

なぜ「小分けの運動」が注目されるのか?

まとまった運動時間を確保できなくても、短い運動を1日の中に散らす形で体力に働きかけうる、という点が支えられている。

この試験の運動は1回あたり数十秒程度と短く、それを1日3回に分けて行う設計になっている。長い時間ジムに通う余裕がなくても、日常の中の階段という場面を使えば、短い運動を積み重ねられる可能性がある。とはいえ、これは一つの小規模なランダム化比較試験の結果にすぎない。効果の大きさは控えめだったと報告されており、誰にでも同じだけの変化が起きるとは限らない。過度な期待を持たず、日常の一部として気軽に取り入れる程度の話として受け止めたい。効果には個人差がある。

今夜の一手: 帰り道はエレベーターでなく階段を使う

今夜、帰りにエレベーターの前に立ったら、まず階段を見てみる。無理のない範囲で数階分だけでも上ってみる、それだけでいい。特別な運動時間を作れなくても、こうした短い動きの積み重ねが体力づくりの足がかりになりうると報告されている。効果には個人差があります。