夜、なかなか寝つけずに寝返りを打つ。「運動不足だからかもしれない」と思いつつ、どれくらい効くのか半信半疑になる。運動と睡眠の関係を、効果の大きさまで含めて正直に確かめたい。

運動を表す低い台から枕へ静かに続く段差を配置した画像

運動は、睡眠の質を上げるのか?

66件の研究を統合したメタ分析では、運動が入眠時間の短縮や睡眠の質の改善と関連したと報告されている。

このメタ分析は、運動と睡眠を扱った66件の研究を統合したものだ。1回の運動でも、総睡眠時間・入眠潜時(寝つくまでの時間)・睡眠効率などが軽度に改善し、中途覚醒が中程度に減ったと報告された。習慣的な運動では、入眠潜時の短縮と睡眠の質の改善が示されている。ただし、効果の多くは小〜中程度だ。運動さえすれば劇的に眠りが深くなる、という類の話ではない。効果には個人差がある。

睡眠のために、激しく追い込む必要はあるのか?

運動の強度や有酸素・無酸素の別は、睡眠への効果を大きくは左右しなかった。

この研究で見えたのは、効果の大きさが運動の激しさで決まるわけではない、ということだ。強度や運動の種類は結果を大きく変えず、むしろ年齢や普段の活動量、運動の時間帯のほうが効果に関わっていた。だとしたら、睡眠のために自分を追い込む理由はない。続けられる軽い運動を積み重ねるほうが理にかなっている。ただし就寝直前の激しい運動は、人によって寝つきを妨げることがある。夕方から夜のはじめに軽く動かし、体が落ち着く時間を置くのが無難だ。効果には個人差がある。

今夜の一手: 夕方に10分、軽く体を動かす

今日は夕方から夜のはじめに、10分だけ軽く体を動かしてみる。散歩でも、軽いストレッチでもいい。息が上がるほど追い込まなくてよい。強度を上げることより、続けられる軽さを選ぶほうが、この研究の読み方に合っている。効果には個人差があります。