夜、棚から取り出した魚油のカプセルを、なんとなく明かりに透かしてみる。いつ開けたか思い出せない。体にいいと聞いて買ったはずなのに、「これ、酸化してないだろうか」という小さな不安がよぎる。飲むべきか、捨てるべきか、判断の物差しがない。
市販の魚油サプリは、酸化しているものが多い?
多くの製品が推奨される酸化の基準を超えていたと報告されています。 Albert 2015は、市販されていた魚油サプリ32製品を分析し、83%が推奨される過酸化物価(PV)を、50%が総酸化価(TOTOX)を超えていたと整理しました。推奨される酸化指標をすべて満たしたのはわずか8%で、多くは表示されたEPA/DHAの量にも届いていませんでした。魚の油は不飽和脂肪酸が多く、空気・光・熱でとても酸化しやすい性質を持ちます。つまり「酸化(鮮度)」は感覚的な心配ではなく、品質管理上の実在の問題だといえます。ただし、業界団体の追試では大半が規制内だったとの報告もあり、数値の解釈には論争がある点も添えておきます。効果には個人差があります。
酸化した魚油は、体に悪い?
品質の問題は確かでも、ヒトへの害は現時点で未確立です。 Albert 2016では、高度に酸化させた魚油を妊娠中のラットに与えると新生仔の死亡率が大きく上がったと報告されましたが、これは動物実験であり、そのままヒトに当てはめることはできません。健常者を対象とした研究では、酸化した魚油が酸化ストレスの指標に影響しなかったとの報告もあります。だから必要なのは、恐れて全部やめることでも、無頓着でいることでもなく、「品質の話」と「健康被害の話」を分けて扱う姿勢です。鮮度が落ちたものは無理に飲まず、新しいものに替える——その程度の距離感が現実的です。効果には個人差があります。
今夜の一手: カプセルを一つ、鮮度チェック
不安を放置するより、今夜ひとつ確かめる。カプセルを一粒噛んでみて、強い生臭さや刺すような後味があれば鮮度が落ちたサイン。開封日を思い出せないものは、期限を確認して、空気と光の当たる場所に置いていないか見直す。「Albert 2015・多くが酸化基準超過/害はヒトで未確立」と一行メモしておけば、過度に怖がらず、鮮度だけに気を配れる。効果には個人差があります。

