気づいたらインスタが開いている。開こうと決めた記憶がない。ロック解除から親指が勝手に動いて、目が覚めたらタイムラインの中にいる。

無意識にアプリへ伸びる親指のクローズアップイラスト

ホーム画面の並び替えに意味はある?

ある。無意識のタップは「指の癖」であり、癖はアイコンの配置に宿っているからだ。 ロック解除、右下のアイコン、タイムライン。この一連の動きは、考えて実行しているのではない。指が場所を覚えている。だから「開かないぞ」という決意では止まらない。決意は頭の仕事で、開く動作は指の仕事だからだ。

配置を変えると、この癖が空振りする。いつもの場所に、いつものアプリがない。その一瞬の「あれ?」が、無意識を意識に引き戻す。

何をどう並び替える?

1画面目を空けて、SNSは「検索して開く」に変える。 やめたい習慣には手間を足すほど起きにくくなる、という「20秒ルール」の応用だ。20秒は最適値ではなく実用上の目安で、根拠は「摩擦を足すと使用が減る」という仕組みのほうにある。自己ナッジアプリの実地研究(N=280)でも、開く前に数秒の一手間を挟むと対象アプリの起動が6週間で約57%減ったと報告されている。手順は3つ。

  1. 1画面目はツールだけにする。 地図・カメラ・メモ・電話。SNSと動画アプリは1画面目に置かない
  2. SNSは最終ページのフォルダの奥へ。 たどり着くまでにスワイプとタップを挟ませる
  3. 開くときはアプリ名を検索する。 画面を下にスワイプして検索欄に名前を打つ。このタイピングの数秒が「本当に今開きたい?」を確認する関所になる

どれも機能は削らない。開けるけれど、指の癖だけでは開けない状態を作る。

指が新しい場所を覚えたら意味がなくなる?

覚え直される前に、また動かせばいい。 指の癖は数週間もすれば新しい配置に適応してくる。だから月1回、フォルダの場所やページを入れ替える。癖と根比べをするのではなく、癖の学習を遅らせ続けるという発想だ。

模様替えのついで程度の軽い作業で、癖はまた振り出しに戻る。あなたが頑張るのではなく、配置に働かせる。

今夜の一手

  1. 一番開いてしまうアプリを長押しして、1画面目から最終ページのフォルダの奥へ移す(30秒)
  2. 明日、無意識に1画面目のいつもの場所を触って空振りした回数を数えてみる。思ったより多くて驚くかも。それがあなたの癖の回数だ