夜、部屋の隅に転がったゴムチューブと、買ったきりのダンベルを見比べる。どちらで鍛えれば無駄にならないのか、と手が止まる。売り文句ではなく、研究が本当に強く支えているのは何かから整理していく。

どちらが優れているか、研究は決着をつけているのか?
チューブとダンベルを直接比べた質の高い試験は限られ、優劣を断言できる段階にない。
多くの研究が調べてきたのは「どの器具か」ではなく「レジスタンス運動をするかどうか」だ。たとえばカロリー制限中の高齢者を対象にしたメタ分析では、筋トレを併用すると失われがちな除脂肪量をほぼ守れたと報告されている。別の8ヶ月のRCTでも、除脂肪量を増やすには筋トレが必要だと示された。どちらも「器具の種類」ではなく「レジスタンス運動の有無」に関する知見だ。だから道具の優劣を強い証拠で語ることはできない。効果には個人差がある。
では、何を軸に選べばいいのか?
「効く器具」ではなく「続けられる器具」を選ぶのが、研究と整合的だ。
強く支えられているのが「続けること」なら、選ぶ基準は続けやすさになる。ダンベルは重さを段階的に増やしやすい反面、場所とコストがかかる。チューブは軽くて自宅向きな反面、負荷が感覚的になりやすい。だから選び方はこうなる。あなたが自宅で省スペースに始めたいなら、チューブから。段階的に負荷を上げていきたいなら、ダンベルから。 物足りなくなったら足せばいい。順番を「道具選び」から「続く形選び」へ入れ替えることだ。
今夜の一手: 続けられそうな方を、一種目だけ決める
チューブでもダンベルでも、明日やる一種目だけを先に決めておく。道具の優劣で迷う時間より、続く形を一つ決めるほうが確からしい。持病がある人や関節に不安がある人は専門家へ。効果には個人差があります。


