夜。今日もまた、気づけば3時間スマホを見ていた。「明日から減らそう」と、もう何度目かの決意をする。でも「減らそう」と思うだけでは、翌日もまた3時間になる。何が足りないのか。

「1日1時間減らす」はどう実行する?
測って、一番重いアプリを1つ見つけ、そこにだけ枠をかける。
まず前提を一つ。減らす目標は「ゼロ」ではなく「今より1時間」でいい。Brailovskaia 2022(N=619・RCT)では、スマホを完全に断つより「1日1時間減らす」ほうが4ヶ月後も続き、生活満足の向上・身体活動の増加・抑うつや不安の低下がみられたと報告されている。全部やめる、という重い目標は反動を生みやすい。だから減量から入る。
「減らそう」で減らないのは、対象と量が決まっていないからだ。何を、どれだけ、どうやって。この3つを具体にする手順を、これから分解する。
手順1と2: まず1週間、ただ測る
最初の1週間は、減らそうとせず、ただ数字を見る。
iPhoneなら「スクリーンタイム」、Androidなら「Digital Wellbeing」。ここに、アプリごとの利用時間が出ている。1週間ぶんを眺めると、たいてい1つか2つのアプリが時間の大半を食っていることが分かる。
ここで大事なのは、いきなり我慢を始めないことだ。測っている間は、いつもどおり使っていい。目的は現在地を知ること。犯人捜しではなく、地図作りだと思ってほしい。1週間後、一番時間を食っているアプリを1つだけ名指しする。狙いをそこに絞る。
手順3: 一番重い1つにだけ、枠をかける
全アプリを一斉に締めず、特定した1つにだけ上限時間を設定する。
スクリーンタイムの「App使用時間の制限」で、そのアプリに1日の上限を決める。今が2時間なら、まずは1時間半へ。いきなり15分にしない。今より少し下、を刻む。
なぜ1つに絞るのか。全アプリを同時に締めると、どれか一つ我慢が切れた瞬間に「もういいや」と全部が崩れる。一番重い1つだけなら、そこに集中できるし、崩れても被害は1つで済む。減らすは、広く浅くより、狭く深くのほうが続く。
今夜の一手: 現在地を1つ、確かめる
- スクリーンタイム(またはDigital Wellbeing)を開き、今週いちばん時間を食っているアプリを1つ確認する
- その名前を覚えておく。今週はまだ制限しない。まず知るところから始める
減らす戦いは、敵の顔を知ることから始まる。今夜はそれだけでいい。枠をかけるのは、現在地が見えてからだ。


