また通知が光った。開くつもりはなかったのに、気づけば指がロックを解除して、20分が消えている。いっそ通知を全部オフにしてしまおうか——そう考えたことがあるなら、その前に知ってほしい実験がある。

通知バッジに集中を切らされる場面のイラスト

通知は全部オフにするのが正解?

全部オフは、実は分の悪い作戦だという報告がある。

237人を対象にした実験(Fitz 2019、単一研究)では、通知の受け取り方を3通りに分けて比較した。①今まで通り受け取る ②1日3回、決まった時間にまとめて受け取る ③完全に遮断する、の3群だ。

結果、最も良好だったのは**「1日3回にまとめる」群**だった。一方、完全に遮断した群では、不安やFoMO(見逃しの恐怖)の悪化が報告された。通知ゼロは心が静かになるどころか、「何か来ていないか」と自分からスマホを見に行く回数を増やしてしまうようだ。

なぜ「まとめる」がちょうどいいのか

割り込みは減らしつつ、「いつ届くか分かる」安心が残るからだ。

通知の問題は、内容よりタイミングにある。いつ鳴るか分からないから集中が細切れになり、鳴っていなくても気になる。逆に「昼と夕方と夜に届く」と決まっていれば、それ以外の時間に確認する理由がなくなる。遮断ではなく、予測可能にする。それがバッチ化の設計思想だ。

人からの連絡まで遅らせて大丈夫?

人からの連絡は残していい。

実務としては、通知を2種類に分けて考える。家族や友人からのメッセージ・電話・仕事の連絡は即時のまま。アプリからの「お知らせ」——おすすめ動画、セール情報、「〇〇さんが投稿しました」——だけをまとめる対象にする。

iPhoneなら「設定→通知→時刻指定要約」で、選んだアプリの通知を決めた時刻にまとめられる。Androidも機種によるが、アプリごとの通知設定から同じ発想で整理できる。人間関係を犠牲にしなくても、割り込みは減らせるんじゃない?

割り込みを減らして深く集中する時間の作り方をさらに掘り下げたい人には、『大事なことに集中する』も参考になる。当サイトの書評では、確かな主張と留保が必要な主張を仕分けている。

今夜の一手: 1つだけまとめる

  1. 一番うるさいアプリを1つ思い浮かべる(SNSか動画アプリのはずだ)
  2. iPhoneなら「設定→通知→時刻指定要約」を開き、そのアプリだけを追加する(約2分)
  3. メッセージや電話など、人からの連絡には触らない

全部を整理しようとしなくていい。まず1つ、うるさい通知を「決まった時間に来る通知」に変える。それだけで、今夜の割り込みは目に見えて減る。