小腹が空く前に、こまめに何かをつまむ。そのほうが空腹に振り回されずに済む——そう思って食事の回数を増やしてみる。けれど、こまめに食べる日ほど、なぜか一日中どこか物足りない気もする。「回数を増やすと満腹感は続くのか」を、研究を手がかりに整理していく。

枚数の異なる二組の白い皿と同じ位置を指す二つの計器の静物画像

こまめに食べると、空腹を感じにくくなるのか?

1日3食と6食を入れ替えて比べても、高頻度で食べたほうが食欲や満腹感が改善するという結果にはならなかった。

FRESH研究(ランダム化クロスオーバー試験)では、健康な成人が1日3食(低頻度)と6食(高頻度)を各21日間ずつ入れ替えて過ごした。その結果、高頻度で食べても、空腹感・食欲・満腹感の自己申告は低頻度より良くならなかった。「こまめに食べると空腹を感じにくい」という通説を、この研究はそのままは支持していない。よく聞く話と研究の結果がずれることは珍しくない。個人差がある。

むしろ、こまめに食べると満腹感は鈍るのか?

高頻度では食後の食欲ホルモンや主観的満腹感の変化がむしろ小さく、満腹感の立ち上がりが鈍る可能性が示唆された。

FRESH研究では、高頻度のときに食後の食欲関連ホルモン(グレリンやPYY)や主観的な満腹感の振れ幅が、低頻度より小さかった。研究者はここから、こまめに少しずつ食べることが、満腹感のはっきりした立ち上がりをかえって鈍らせる可能性を指摘している。別の管理下試験(J Nutr)でも、回数を増やしても健康な成人の食欲は減らなかったと報告されている。ただしこれらは一部の指標での傾向であり、回数の影響は体質や状況によって幅がある。反応には個人差がある。

では、1日何食がいいのか?

満腹感という点で回数を増やす明確な利点は見えず、続けやすいリズムを選ぶのが現実的だ。

研究を素直に読むと、満腹感のために無理して食事回数を増やす必然性は乏しい。一方で、「何食が正しい」という単一の答えがあるわけでもない。仕事の都合や生活リズム、体調によって、続けやすい食べ方は人それぞれ変わる。なお血糖の管理などで医師や管理栄養士から食事回数の指導を受けている人は、そちらを優先してほしい。反応には個人差がある。

今夜の一手: 明日の食事リズムを、いつもどおりでいい

満腹感のために回数を増やさなきゃ、と気負う必要はない。今日決めるのは、明日の食事を「いつもの回数のまま」でいい、と自分に許すことだけ。研究上、こまめに食べる強い利点ははっきりしていない。通院中で食事管理を受けている人は医師・管理栄養士の指導を優先。反応には個人差があります。