一日の終わり、こわばった脚を伸ばそうとフォームローラーに体をあずける。ごりごりという感覚のあと、「これで本当に回復するのかな」とふと思う。動画では魔法のように語られるけれど、実際のところはどうなのだろう。
運動前に転がすと体はやわらかくなる?
やわらかくはなりますが、その変化はごく小さく短時間のものです。 Wiewelhove 2019(21研究のメタ分析)は、運動前のフォームローリングが柔軟性(関節可動域)とスプリント成績にごく小さな改善をもたらす一方、ジャンプや筋力への効果はわずかだったと報告しています。つまりウォームアップの前後で「少し動かしやすくなる」程度で、体質そのものが変わるわけではありません。準備運動の一部として取り入れる価値はありますが、これ一つで大きく変わると期待すると肩透かしになります。効果には個人差があります。
運動後に使うと筋肉痛は楽になる?
筋肉痛の「感じ方」は、やや和らぐと報告されています。 同じメタ分析では、運動後にフォームローラーを使うと、遅発性筋肉痛(あとから来る筋肉痛)の主観的なつらさが軽くなり、パフォーマンスの回復もいくらか助けられたとされています。ただしここでも効果量は小さく、痛みが消えるというより「少し楽に感じる」くらいの温度感です。翌日の重だるさをゼロにする道具ではなく、回復の後押しの一つと考えるのが現実的です。強い痛みや違和感が続くなら、無理に転がさず医療者に相談してください。効果には個人差があります。
今夜の一手: 「補助輪」として2分だけ
フォームローラーを「これさえやれば」の主役から、「回復を少し後押しする補助輪」に格下げする。今夜は寝る前に、張っている部位を2分だけゆっくり転がし、痛気持ちいいところで止める。そのうえで睡眠と水分という土台を優先する。「Wiewelhove 2019・効果は小さいが前後で少し」と一行メモしておけば、道具への過信も、やらない罪悪感も手放せる。効果には個人差があります。