布団に入った瞬間、明日の締め切りややり残しが次々と浮かぶ。目を閉じても頭のなかで会議が続く。スマホを見て気を紛らわせても、余計に冴えていく。この頭の巡りは、どうすれば静まるのだろう。

書き出すと寝つきは変わる?

「これからやること」を書き出した人のほうが、早く寝ついたという報告がある。 Scullin 2018(Journal of Experimental Psychology: General・健康な若年成人N=57・睡眠ポリグラフ)は、就寝前の5分間、これからやるべきことのto-doリストを書く群と、すでに済ませたことを書く群に無作為に分けた。すると、to-doリストを書いた群のほうが入眠潜時が短かった。頭のなかで回り続ける未完了の用事を、紙に「オフロード」することで、就寝時の巡りが下がったのではないか、という解釈だ。ただしこれは実験室での単一夜・少人数の研究で、結論を急ぎすぎないほうがいい。

心配事を細かく書くのは逆効果?

過去を細部まで振り返るほど、寝つきは遅れる傾向も同じ研究で見えた。 Scullin 2018では、済ませたことを具体的に細かく書いた人ほど、逆に寝つくまでの時間が長くなる関連もあったと報告されている。つまり「書けば何でも落ち着く」わけではない。大事なのは、頭のなかにとどめている用事を外に出して、いったん手放すこと。心配事そのものをえんえん書き連ねると、かえって考え込むきっかけになりかねない。狙いは記録ではなく、頭の外に置くことだ。だから短く、明日やることだけを箇条書きにするくらいがちょうどいい。

今夜の一手: 明日の三つを紙に置く

枕元に紙とペンを一枚だけ用意する。寝る前に、明日やることを三つだけ、短く書く。うまく書こうとしなくていい。書いたら紙を閉じて、続きは明日の自分に預ける。「Scullin 2018・to-doを書くと寝つきが早い/細かく振り返るのは逆効果」と一行残しておけば、また頭が巡り始めた夜も、スマホではなく紙に手が伸びる。