眠れない夜、手の中のスマホを見ながら思う。いっそ、これを完全にやめてしまえば、眠りも気分も軽くなるんじゃないか。その素朴な期待を、実際に若者たちで確かめた研究がある。21日間まるごと断つと何が起きて、その後どうなったのか——正直なところを整理していく。

スマホを断つと、短期的には何が変わったのか?
21日間断った群では、睡眠時間・眠気・抑うつ症状・ストレスにわずかな改善の兆しが見られた。
Sullivan et al.の予備的ランダム化試験は、13〜18歳の青少年82人を、スマホとSNSを21日間完全に断つ2種類の介入群と、通常どおりの対照群に分けて比べた。21日時点では、介入群で睡眠時間・日中の眠気・抑うつ症状・知覚ストレス・ワーキングメモリに、わずかな改善の兆しが見られた。断つことに一定の手応えがあったように見える。ただし、これはあくまで小規模な予備試験の、しかも「兆し」の段階だ。個人差がある。
その変化は、続いたのか?
21日で見えた改善は、2か月後の追跡では維持されていなかった。
この研究のいちばん正直な部分がここだ。21日時点で見えた改善の兆しは、2か月後に追跡したときには維持されていなかった。断っている間だけの一時的な変化だった、という読み方ができる。脱落は13%と少なく、参加者はよく続けてくれた。それでも、短期の変化と長く続く定着は別の問題だと、この結果は静かに示している。反応には個人差がある。
では、どう付き合えばいいのか?
「断てば解決」ではなく、続けられる小さな付き合い方を探すほうが現実的だ。
21日断っても効果が2か月後に残らなかったのなら、鍵は断ち切る強さではなく、無理なく続く工夫のほうにありそうだ。完全にやめることを目標にすると、達成できなかったときに自分を責めやすい。そうではなく、夜だけ別の部屋に置く、通知を一つ切る——負担の小さい一手を、続く形で選んでいく。うまくいかない日があっても、それはあなたの弱さではない。反応には個人差がある。
今夜の一手: 今夜だけ、スマホの置き場所を一つ変える
断つ決意はいらない。今夜だけ、スマホを枕元から少し離れた場所に置いてみる、それだけでいい。21日間の断ち切りより、続けられる小さな一手のほうが、この研究の教えに近い。うまくいかない夜があっても、自分を責めなくていい。反応には個人差があります。

