夜のジム、1セットを終えて肩で息をする。スマホの秒数だけが静かに進んでいく。次のバーに手をかけるのは、何秒後が正解なのか。短く追い込むべきか、しっかり休むべきか——答えは「目的」で変わる。

二枚の黒い円盤を白い粒の弧がつなぐ静物画像

セット間は短いほど効率的なのか?

短いほど効率的とは限らない、という報告がある。 Schoenfeld et al. 2016(トレーニング経験者の男性N=21・8週間の無作為化比較試験)は、セット間を1分休む群と3分休む群に分け、週3回・8〜12回×3セット・7種目という同じ内容で比べた。結果、短く追い込んだ1分群が上回るという直感は支持されなかった。休憩を削ることそのものが得だとは言えない、というのが出発点になる。

強さや厚みが目的なら、休みは長いほうがいいのか?

この研究では、3分しっかり休む側に分があったと報告されている。 同研究では、スクワットとベンチプレスの最大挙上重量(1RM)がいずれも3分群で有意に大きく、前ももの筋厚も3分群で有意に大きかったと報告している。上腕三頭筋は増加の傾向(p=0.06)、上腕二頭筋は両群で同程度で、部位によって差の出方は割れた。強さと一部の厚みを狙うなら、あえて休みを削らない選択に根拠がある。ただし比べたのは1分と3分の2条件であり、際限なく延ばすほど得だという話ではない。効果には個人差がある。

目的が違えば、あなたは何秒を選ぶ?

ランキングは出さない。あなたの目的で選ぶのが現実的だ。

  • 強さや厚みを伸ばしたいなら——3分ほどしっかり休む側に、この研究の支持がある
  • 限られた時間で続けたいなら——短い休憩でも両群とも伸びたと報告されている。差がついたのは伸び幅で、途切れるより続くほうが価値になる
  • 運動から遠ざかっていた・持病があるなら——秒数より先に、無理のない強度から。必要なら医師や専門家へ

我々が言えるのは「何秒が最強か」ではなく、目的次第で最適が動くということだけだ。

今夜の一手: 次に行くときの休憩を1つだけ決めておく

  1. 明日の狙いを1つ選ぶ。「強さ重視」か「短時間で続ける」か(約20秒で決める)
  2. それに合わせ、セット間の秒数を1つだけ決めてタイマーに入れておく。強さ重視なら3分、時間優先なら短めでよい

スマホから離して取り戻した時間と気力を、明日は一度だけからだに向けてみる。理想の秒数を守れた日より、「今日もやれた」が一つ積めた日を数えていけばいい。