眠れない夜、ストレスをどうにかしたくて検索すると、「マインドフルネス瞑想」が次々に出てくる。でも、ただ深呼吸するのと何が違うのか。手の込んだ瞑想でないと意味がないのか。優劣を決める前に、研究がどちらに軍配を上げているのかを確かめる。
瞑想は、弛緩法より「効く」のか?
明確に優れるとは限らない、という報告がある。 47の試験をまとめたメタ分析では、マインドフルネス瞑想プログラムは不安・抑うつ・ストレスの一部の指標を改善しうる一方で、運動や筋弛緩法などの能動的な対照と比べて明確に優れるとは限らないと報告されている。つまり「瞑想でなければ駄目」という前提は、研究の全体像とは噛み合わない。ここで大事なのは、どちらも病気を治す手段ではない、という点だ。効果には個人差がある。
眠りへの効果は、どこまで確か?
改善しうるが、比較対象しだいで大きさが変わる。 マインドフルネス瞑想が睡眠の質を改善しうるとするメタ分析はある。ただしその効果の大きさは、何と比べたか——ただ待つだけの対照か、弛緩法のような能動的な対照か——によって差があり、一律ではないと報告されている。別の試験では、瞑想と弛緩法のどちらも同程度に苦痛を和らげ、反芻の低減だけは瞑想でやや目立ったとされた。方向は近く、細部で少し個性が出る、という具合だ。
効果が近いなら、何で選ぶ?
続けやすさで選ぶ。 判定を条件分岐で並べる。
- 考えが同じところをぐるぐる巡りやすいなら、反芻の低減で報告のある瞑想が向くかもしれない。
- 座って意識を向けるのが負担なら、深呼吸や筋弛緩法から入るほうが続く。効果は近い。
- 眠りが目的なら、どちらか一つに賭けるより、就寝前に画面を手放す設計と組み合わせる。
どれを選んでも「劣ったほう」ではない。この比較では、効果が近い、というのが結論だ。
今夜の一手: 続けられるほうを、一つだけ
もし今夜、気持ちを鎮めたいなら、凝った瞑想アプリを探す前に、続けられそうなほうを一つだけ選ぶ。三回だけゆっくり息を吐く、肩の力を抜く、それでいい。効果が近いのだから、上等な方法より、明日も続く方法のほうが得だ。つらさが強い日は、無理せず人に頼っていい。
