がんばって落とした体重が、気を抜くとまた戻っている。自分の意志の弱さだと責めたくなる夜がある。だが、戻りやすさには意志とは別の構造がある。研究が示す仕組みを知っておくと、体重計の数字に振り回される回数は少し減る。

体重計に片足を乗せてためらう足元

急いで減らすと何が起きる?

急な制限では、脂肪だけでなく筋肉(除脂肪量)も一緒に減りやすい。 体重という一つの数字は、脂肪・筋肉・水分の合計だ。食事を強く絞ると、減るのは脂肪だけではない。研究では、間欠的な制限も継続的な制限も、結局は総摂取エネルギーを減らすことで働くと整理されており、短期の減り幅を急いでも、その一部は失いたくない筋肉であることがある。減った筋肉は、戻りやすさにも関わると考えられている。

筋肉を守るとどう変わる?

筋トレを併用すると、制限で生じる除脂肪量の減少をほぼ防いだという報告がある。 肥満の高齢者を対象にした複数のRCTをまとめた分析では、カロリー制限に筋トレを足した群で、制限だけの群に比べて筋肉の減少がほぼ完全に抑えられた。しかも体脂肪や体重の減り方は、制限単独と大きくは変わらなかった。別の試験でも、筋肉を増やす方向には筋トレが要ると報告されている。減らす役(食事)と、守る役(筋トレ)を分けて考えると見通しが良い。効果には個人差がある。

数字より何を見ればいい?

短期の減り幅より、続けられる行動が積めているかを見る。 一日の体重は水分などで上下し、それ自体は成否ではない。急いで大きく動かした数字ほど、戻るときも大きく揺れやすい。体重計を「責める道具」ではなく「傾向を見る道具」に格下げして、続けられている行動のほうを数えるほうが、長い目では扱いやすい。

今夜の一手: 「守る役」を一つ足す

食事を絞ることばかり考えていたなら、筋肉を守る役を一つ足してみる。自重のスクワットでもいい。減らす一辺倒から、守る工夫を一つ加えるだけで、戻りやすさの構造に少し抗える。減量ペースの目安が必要なら、公的な情報や専門家に相談してください。効果には個人差があります。