寝る前、ブルーライトカット眼鏡をかけてスマホをスクロールする。「これをかけているから、夜のスマホも大丈夫」——そう思い込んでいないだろうか。その安心に、どれだけの根拠があるのかを確かめたい。

黒い静物の中で眼鏡と画面、大小の球体を天秤状に配置した画像

ブルーライトカット眼鏡は、目の疲れや睡眠に効くのか?

コクランのレビューでは、短期の目の疲れを軽減しない可能性が高く、睡眠への効果は不確定と評価されている。

このレビューは、ブルーライトカット眼鏡を扱った17件のランダム化比較試験(参加者5〜156人・追跡は1日未満から5週間)を統合したものだ。結果、標準レンズと比べて短期の目の疲れを軽減しない可能性が高く、視力への効果もほとんど無いと報告された。肝心の睡眠については、改善したとする試験が3件、差がなかったとする試験が3件と割れ、レビューは結論を「不確定」とした。効果には個人差がある。

「効果が否定された」と読むのは正しいのか?

ここは「否定された」ではなく「確かな効果が確かめられていない」と区別するのが正確だ。

この二つは似て非なるものだ。害が示されたわけでも、効かないと確定したわけでもない。ただ、期待されたほどの効果が、今の試験の積み重ねでは確かめられていない、という状態にある。だとしたら、比べるべきは「眼鏡をかけるか、かけないか」ではない。**あなたが夜の目の疲れや寝つきを気にしているなら、眼鏡を足すより先に、夜に画面を見る時間そのものを減らすほうが、根拠のそろったレバーになる。**当サイトで紹介した別の研究でも、就寝前のスマホ使用を控えることが寝つきや睡眠時間と関連したと報告されている。眼鏡はおまけ、主役は画面との距離だ。効果には個人差がある。

今夜の一手: 眼鏡より先に、画面を1つ遠ざける

今夜は、眼鏡をかけ直す前に、寝床にスマホを持ち込まない工夫を一つ試す。充電器をベッドから離す、寝る30分前に画面を置く——それだけでいい。道具を足すより、光そのものから離れる時間を作るほうが、今の研究には合っている。効果には個人差があります。