きつい運動を終えた夜、体は重い。「軽くでも動いた方が抜けるのかな」と思いつつ、ソファから立ち上がれない。動けば回復が早い気もするし、休んだ方が理にかなう気もする。どちらが正しいのか分からないまま、なんとなく横になる。

軽く動くと、疲労は本当に早く抜ける?

血中乳酸の除去に限れば、軽く動く方が速いと報告されています。 Devlin 2014(クロスオーバー試験)は、最大運動のあとに軽い運動を挟むと、じっと休むより血中乳酸の除去が速く、その速さは運動強度に応じて乳酸性作業閾値の付近で最大になったと整理しています。ここは比較的はっきりした結論です。ただし注意したいのは、「乳酸が早く抜ける=翌日調子がいい」とは限らないこと。乳酸そのものは疲労の主犯ではなく、除去の速さが回復の良し悪しを保証するわけではありません。効果には個人差があります。

翌日のパフォーマンスや筋肉痛は変わる?

効果は小さく、一貫しないと整理されています。 Ortiz 2019(26研究・471名のレビュー)は、運動後の軽い運動、特に6〜10分の実施がその後の成績に肯定的な傾向を示したとしつつ、最適な強度は不明確で、乳酸クリアランス率を回復の指標にする信頼性は低く、全体のエビデンスの強さは「弱い」と自ら評価しています。つまり「軽く動けば翌日はきっと楽になる」とまでは言えません。だから選び方はシンプルです。もしあなたが軽く体を動かすと気分が整うタイプなら、会話できる強さで数分流す。逆に疲労感が強く体が重い日なら、完全に休むのを劣った選択と思う必要はありません。効果には個人差があります。

今夜の一手: 「乳酸は速い、翌日は未知」で選ぶ

回復法を勝ち負けで決めるのをやめて、確度で選ぶ。今夜きつく追い込んだなら、寝る前に息が弾まない程度の足踏みやストレッチを5分だけ。だるさが強い日は、迷わず横になる。「Devlin 2014・乳酸除去は速い/Ortiz 2019・翌日への効果は弱い」と一行メモしておけば、動くも休むも、その日の体に合わせて選べる。効果には個人差があります。