起きる時刻のアラームは、全員かけている。なのに「寝る時刻」のアラームをかけている人は少ない。布団の中で「あと1本」を繰り返し、気づけば1時。終わらせる合図が、どこにもないからだ。

深夜のベッドでスマホを見続ける人のイラスト

開始でなく「終了の合図」が、なぜ要る?

夜のスマホは、始めるより終えるほうが難しい。

動画やSNSは、次を自動で差し出す設計になっている。自力で止めるより、外から合図が来るほうが切り上げやすい。起床アラームが朝の始まりを告げるなら、就寝アラームは夜の終わりを告げる係だ。

これは意志力の問題ではない。区切りが設計されていないだけだ。だから責める必要もない。

就寝前に画面を止めると、何か変わる?

就寝前30分の画面制限で、眠りの指標が改善したという小規模な報告がある。

He 2020(N=38・予備的RCT)は、就寝前30分のスマホ使用制限を4週間続けた結果、寝つくまでの時間の短縮・睡眠時間の増加・気分の改善を報告した。ただし小規模で予備的な研究であり、これだけで断定はできない。

それでも方向性は素直だ。夜の光は体内時計を遅らせる—— 厚生労働省 e-ヘルスネットも、朝の強い光が体内時計を前進させ夜の光は遅らせると解説している。就寝アラームは、その「夜の光」を切る合図に使える。

1日で身につかなくても、失敗じゃない?

習慣の自動化には時間がかかる。1回の失敗では壊れない。

Lally 2010(N=96)は、行動が自動化するまで中央値で66日、個人差は18〜254日と報告する。そして1回スキップしても、習慣形成は実質壊れないことも示した。

つまり就寝アラームを一度無視した夜があっても、それで終わりではない。翌日また鳴らせばいい。積み上げは連続記録ではなく、戻ってこられるかで決まる。

今夜の一手: 「終わりのアラーム」を1つセットする

今日いじるのは、起床アラームではない。

  1. 寝たい時刻の30分前に、新しいアラームを1つ用意する(約10秒)
  2. 名前を「画面を伏せる」にしておく(鳴ったら画面を下に置くだけ)

鳴るのは「もう寝ろ」ではない。「今日はここまで、よくやった」の合図だ。