深夜、眠れないままアプリを開くと、いつの間にかカートに商品が入っている。ワンタップで買えてしまい、翌朝ちょっと後悔する。意志が弱いのだろうか。そう決めつける前に、研究を一つ挟んでみる。
深夜の買い物は意志の弱さなのか?
「意志力は使うと減る有限の資源」という説は、大規模な追試で揺らいでいる。 23の研究室・2,000人超で行われた事前登録の追試では、いわゆる意志力の消耗効果は再現されなかった。だとすれば、深夜の衝動買いを「意志を鍛えれば直る」と考えるのは筋が悪い。鍛えるより、仕組みを変える方が現実的だ。

なぜ深夜に限って止まらないのか?
ワンタップで完結する設計が、迷う隙を与えないまま買わせている。 カード情報が保存され、指一本で決済まで進む。この手軽さこそが引き金だ。逆に言えば、開く手間や買う手間を少し足すだけで、衝動は弱まりやすい。実際、アプリを開く前に一手間を挟むと起動が大きく減ると報告されている。摩擦は敵ではなく、味方にできる。
どんな手間を足せばいいのか?
「一晩寝かせる」ルールが、深夜の判断と朝の判断を切り離す。 ほしいと思ったらカートに入れて、その夜は買わない。翌朝もほしければ買う。多くはその頃には熱が冷めている。カード情報を保存しない、買い物アプリをホーム画面から外すのも同じ発想だ。責めるのではなく、深夜の自分に決めさせない設計にする。
今夜の一手: カートに入れて、一晩寝かせる
今夜ほしくなったものは、カートに入れるところで止める。買うのは明日の自分に任せる。たった一晩の間が、深夜の勢いと朝の冷静さを分けてくれる。

